近刊のご案内 2017/12

更新日:2017/12/22

遅れておりました,世界銀行のフラグシップ年次レポート「世界開発報告 2017 ガバナンスと法」を来年の1月に出版いたします.
詳細を以下に掲載いたしました.

世界開発報告2017 ガバナンスと法

途上国と国際開発機関には、安全保障、成長、および公平性をめぐる課題克服のカギとして、ガバナンスに対するアプローチの見直しが求められている。「世界開発報告2017 ガバナンスと法」は、注意深く設計された政策が採択あるいは実施されない、採択あるいは実施された場合でも安全保障・成長・公平性といった開発の成果をもたらさないことが多い、さらに、欠陥のある政策が持続する、といった開発の核心にある根本的な問題に取り組んでいる。
 ソマリアの国家構築、ナイジェリアの腐敗防止策、中国の経済成長が抱える課題、インド都市部における貧民街や排斥の問題など、各国の事例を分析した上で、効果的な政策の3つの要素として、「コミットメント」「連携」「協調」を挙げている。そして、権力の偏在が各種政策の有効性をいかに阻害するかを分析し、偏在がある状況においても、市民の働きかけと対話によって政策決定者の動機を変えるための協調行動を実現でき、エリート層であれば、政策決定者同志が互いの権力を制限しあう合意により変化をもたらす事も可能であると述べている。また、国際コミュニティの場合であれば、国内の改革推進者間の力関係を変えるために間接的に影響力を行使する事で変化を起こす事ができる。
 本書は、世界各国の事例研究やゲーム理論の応用などを用いて、開発政策における「ガバナンスと法」の役割を詳しく分析しており、開発経済を含む多くの研究者にとって有益な一冊となっている。