ビジネスと経営における女性 気運を盛り上げる

更新日:2016/03/05

ビジネスと経営における女性

気運を盛り上げる

国際労働機関(ILO) 著

田村 勝省 訳

2016年1月 発行

定価 2,500円

ISBN:978-4-907600-40-2

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・  序文,目次,はじめに

概要

女性の教育に関する環境は著しく改善し,それを受けて雇用へのアクセスも増加している.今日,世界の企業の3 分の1 は女性が経営しており,その経営能力も次第に認められつつある.階層制のあらゆるレベルで,ジェンダーに関してバランスのとれた多様なチームを形成することがビジネス面でプラス効果をもたらす,という証拠がますます増えてきている.にもかかわらず,ジェンダーに関しては旧来の固定観念が依然としてビジネスに対する女性の貢献に影を落としている.すべての社会的・文化的な状況にわたって,固定観念のリストの最上位に位置しているのは,仕事と家庭の責任をバランスさせる能力に関する懸念である.

女性の企業オーナーはほとんどが小企業や零細企業に集中している.最大手のグローバルな会社のCEO については,そのような職に就いている女性は依然として5%未満である.会社の階段が高いほど,また,組織が大きいほど,女性は少なくなっている.「ガラスの天井」がまだ無傷で残ったままとなっている.女性は上級レベルの管理者,人事や広報のマネジャーとして成功している.しかし「ガラスの壁」があり,トップにつながる戦略的なマネジメントの地位に女性が就くことをそれが妨げている.会社は,最終損益に対して女性がする貢献をもらい損なっている.『ビジネスと経営における女性』はILO の統計を含め入手可能なデータすべてをひとまとめにして,ビジネス界やマネジメントの地位に就いている女性に関し,包括的で最新のグローバルな姿を提示している.女性が依然として直面している障害だけでなく,ジェンダー多様性がビジネスにとって良いことだという主張にも光を当てながら,前進する方法に関する勧告案を示している.

目次

序文

謝辞

略語

1. はじめに

1.1 ガラスの天井は依然として手つかず

1.2 ビジネスや経営への女性の参加に関する事例

1.3 トップでは依然として孤独

1.4 ジェンダーに関するの固定観念が強力な力になっている

1.5 企業文化をより包括的にする

1.6 「パイプライン」にいる女性

1.7 データの欠如

1.8 ILO雇用者活動局が実施した会社調査

2. より多くの女性がビジネスやマネジメントに就くことは,企業にとっても有益である

2.1 「経済成長のエンジン」としての女性

2.2 ジェンダーのバランスは重要か?

2.3 損得

2.4 ダイバーシティ・マネジメント

2.5 ビジネスにとって良いことだと主張する

3. マネジメント職に就いている女性

3.1 マネジャーの性別に関するデータ源

3.2 マネジメント職に就いている女性に関する統計

3.3 さまざまなマネジメント職に就いている女性

3.4 ILO会社調査

3.5 女性は特定のマネジメント機能に集中している

3.6 女性がマネジャー職に占める割合は増加しつつある

3.7 上級および中間マネジメント職に就いている女性

4. 最高の地位に就いている女性

4.1 ILO の会社調査

4.2 世界銀行の企業調査

4.3 国際的な調査

4.3.1 最高の地位に就いている女性――アフリカ

4.3.2 最高の地位に就いている女性――南北アメリカ

4.3.3 最高の地位に就いている女性――アジア・太平洋

4.3.4 最高の地位に就いている女性――ヨーロッパ

4.3.5 最高の地位に就いている女性――MENA地域

5. 役員の女性

5.1 世界最大手企業の役員会

5.2 全員が男性の役員会

5.3 ILO会社調査

5.4 各国の調査

5.5 孤独な女性役員

5.6 取締役会会長

5.7 役員会や意思決定委員会における女性

5.8 女性の役員登用を迅速化する措置

5.9 会社役員会に女性を登用するイニシアティブ

6. 事業主の女性

6.1 雇用者としての女性

6.2 女性雇用者の増加

6.3 自己勘定あるいは自営の女性労働者のシェア

6.4 女性自営業者の増加

6.5 世界銀行の企業調査

6.6 グローバル起業活動モニター(GEM)

6.7 各国の調査

6.8 女性起業家が直面している挑戦

6.9 女性の金融へのアクセス

6.10 起業家としての女性の才能を活用する

7. 給与のジェンダー格差

7.1 マネジャー間の性別による給与格差

7.2 ILO会社調査

8. 公的部門の意思決定における女性

8.1 公職

8.2 議会の女性

8.3 法律による割当制

8.4 最高の公職に就いている女性

9. 教育面で躍進を遂げている女性

9.1 アフリカの高等教育における女性

9.2 南北アメリカの高等教育における女性

9.3 アジア・太平洋地域の高等教育における女性

9.4 CEE・CIS諸国の高等教育における女性

9.5 EU・西ヨーロッパの高等教育における女性

9.6 MENA地域の高等教育における女性

9.7 教育分野におけるジェンダー格差は縮小しつつある

9.8 エンジニアリングを専攻する女性の不足

9.9 研究者としての女性

10. 指導的立場の女性の障壁

10.1 ILO会社調査

10.2 ジェンダー別の役割と固定観念

10.3 企業文化

10.4 マネジメントとリーダーシップのスタイル

10.5 模範

10.6 家庭の責任

11. ビジネスやマネジメントにおいて女性を昇進させる政策や措置

11.1 退職者面接

11.2 会社の方針

11.3 女性を昇進させるために優先すべき会社の措置

11.4 法的な枠組み

11.5 国際連合のグローバル・コンパクト

12. ビジネスやマネジメントにおいて女性を昇進させるための新たな政策

12.1 会社のイニシアティブ

12.2 優れた実践を表彰する

12.3 各国の商工会議所および雇用者団体のイニシアティブ

12.4 会員制ビジネス組織における女性とジェンダー平等の構造

12.5 商工会議所や雇用者団体における女性の割合

12.6 地域的・国際的なレベルでの女性組織の結成

12.7 国レベルでの女性組織

12.8 学術機関の新たな取り組み

13. 前進

13.1 支援に対する会社の期待

13.2 行動項目案

13.3 雇用者団体の役割

14. 参考文献

15. 役に立つウェブサイト

16. 統計情報に関する補遺

世界全体

アフリカ地域

南北アメリカ

アジア・太平洋地域

中央・東ヨーロッパ(CEE),独立国家共同体(CIS)

EU・西ヨーロッパ

中東・北アフリカ

17. 補遺Ⅱ

ILO会社調査(ILO Company Survey)に回答したと認められることを望んだ会社

著者紹介

国際労働機関(ILO)

ILO:The International Labour Organization( 国際労働機関)
http://www.ilo.org/tokyo/lang–ja/index.htm

訳者紹介

田村 勝省(たむら かつよし)

東京外国語大学および東京都立大学卒業.
旧東京銀行および関東学園大学教授を経て翻訳家.


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