世界開発報告2020 グローバル・バリューチェーン時代の貿易による開発促進

更新日:2020/11/20

世界開発報告2020

グローバル・バリューチェーン時代の貿易による開発促進

世界銀行 著

田村 勝省 訳

2020年12月 発行

定価 7,000円+税

ISBN:978-4-907600-68-6

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・  序文、はしがき、目次、概観

概要

グローバル・バリューチェーン(GVC)が1990年以降における国際貿易の急拡大を促進し,GVCは今や全貿易のほぼ半分を占めている.このような変化が前例のない経済的な収斂を可能にした.すなわち,貧困国は急成長して富裕国に追い付き始めた.

しかし,2008年のグローバル金融危機以降,貿易の伸びは停滞し,GVCの拡大も行き詰まっている.一方で,貿易主導型成長というモデルに対しては深刻な脅威が出現してきている.新しい技術は生産を消費者により近い位置に引き寄せ,労働需要を削減する可能性がある.また,大国間の対立はGVCの縮小ないし細分化につながりかねない.

本報告書では,GVCと貿易を通じて開発につながる道が依然としてあるのかどうかを検討する.その結論は次の通りである.すなわち,技術変化は,この段階では悪ではなく善である.GVCは引き続き成長を押し上げ,より良い仕事を生み出し,貧困を削減する.ただし,それが可能となるのは,途上国がGVC参加を促進すべくより深化された改革を実施し,先進国はオープンで予測可能な政策を追求し,そしてすべての国が多角的な協力を復興させる場合である.

目次

序文

はしがき

謝辞

略号

PARTⅠ 概観

概観

GVCの拡大は政策の予測可能性が回復されない限り失速する懸念がある

GVCは所得を押し上げ,より良い仕事を生み出し,貧困を削減する

GVCからの恩恵は公平には共有されておらず,またGVCは環境を傷付け得る

新技術は結局のところ貿易やGVCを促進

国家的な政策はGVC参加を押し上げることができる

他の政策は,GVCがもたらす恩恵が共有され持続可能であるのを

確実なものにすることに役立ち得る

国際協力は有益なGVC参加を支援

参考文献

PARTⅡ グローバル・バリューチェーン:それはどのようなものか?

1 貿易の新しい様相

グローバル・バリューチェーンとは何か?

GVC参加の推移

GVCは諸地域間でどのように分布しているか?

GVC拡大のほとんどを占めてきているのはどの国か?

GVCの産業別内訳はどうなっているか?

少数の大手貿易業者がGVC貿易のほとんどを占めている

参考文献

2 参加の動因

要素賦存は重要

市場規模は重要

地理は重要

制度の質は重要

GVC類型に沿って上方移動

参考文献

PARTⅢ GVC はどのような影響を及ぼすのか?

3 開発への影響

経済成長

雇用

貧困,および繁栄の共有

利益の配分

ジェンダー間の格差

課税

参考文献

4 マクロ経済上の含意

経済活動の同調化

ショックの伝播

インフレの同調化

切り下げの影響を削減

貿易転換を緩和して貿易を増やす

保護主義の復興

参考文献

5 環境への影響

貿易と成長の規模効果

生産の構成における変化

関係型GVCと生産技術

グリーン・グッズ

参考文献

6 技術変化

貿易コストの低下

新しい製品

オートメーションの不安

開放性と革新

輸出主導型の工業化

参照文献

PARTⅣ どのような国内政策が有益な参加を促進するか?

7 参加を高めるための政策

参加の促進

利益を高めるための政策

昇格のための政策

参考文献

8 包摂性と持続可能性に向けた政策

利益の共有

調整の管理

環境の持続可能性

参考文献

PARTⅤ 国際協力はどのようにして役に立つことができるか?

9 貿易における協力

協力支持論

貿易協力の深化

参考文献

10 貿易政策を超えた協力

税金

規則

競争政策

インフラ

参考文献

補遺A 本報告書で使われているデータベース

補遺B 用語集

索引

著者紹介

世界銀行(World Bank

世界銀行ホームページ

訳者紹介

田村 勝省(たむら かつよし)

東京外国語大学および東京都立大学卒業.
旧東京銀行および関東学園大学教授を経て翻訳家.


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