謎・なぞ ――歴史に残るミステリ

更新日:2008/10/31

謎・なぞ

――歴史に残るミステリー

ヤン・ボンデソン 著

田村 勝省 訳

2008年10月 発行

定価 2,310円(税込)

ISBN 978-4-903532-39-4

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序、目次

概要

フランスのルイ17世やドイツのカスパール・ハウザー、イギリスのジョージ3世、ポートランド公爵など、ヨーロッパには数多くの歴史的ミステリーが存在する。本書は、これらの名だたる歴史のミステリーを評価しなおすものである。歴史的な議論と医学的な議論の両方に基づき、最新のDNA技術からの発見も含めて、150年や200年の歴史をもつ伝説について、動かせぬ事実をあかるみに出し、それでも残る謎を検討する。これらのミステリーが、それをめぐって決闘が行われ、政党がたてられ、何千という本や記事が書かれるというような国民的な謎にまで発展していったのは、どのような要因に助けられてのことなのか? それはたんにずる賢く不屈の詐欺師のおかしたことにすぎないのか、それとも民間伝承や心理学といったもっと深い底流も作用しているのだろうか? 何がこれらの行方不明の後継者、秘密の結婚、不滅の君主に関する物語を無数の人々の心を捕らえて離さない不朽のミステリーに変えるのだろうか?

目次

目 次

第I章 行方不明の王太子

タンプル塔の中で

看守シモンとその教え子

軟禁

タンプルの少年の死と埋葬

偽の王太子

ルイ一七世は救出されたのか?

少年のすり替えは行われたのか?

合理主義者の反論

医学的な証拠

タンプルの少年の心臓

ミステリーは解けたか?

最終評決

第II章 カスパール・ハウザーの謎

カスパールと家庭教師ダウマー

スタンホープ卿の介入

カスパール・ハウザーの死

カスパール王子の伝説

ハウザー派と反ハウザー派

王子説に対する反論

DNA技術による裁定

競合する諸説

新しい説

不滅のカスパール・ハウザー

第III章 皇帝と隠者

アレクサンドル一世の生涯

アレクサンドル皇帝、タガンログに行く

アレクサンドル一世の死

フョードル・クズミッチ伝説

歴史上の議論

医学的な議論

DNA分析で謎が解けるか?

フョードル・クズミッチは誰なのか?

第IV 章 オリーヴ王女、ハンナ・ライトフット、そしてジョージ・レックス

ジョージ三世とヴィクトリア女王のみだらな叔父達

オリーヴ王女

ハンナ・ライトフット

ジョージ・レックスとハンナ王妃の他の子供達

第V章 ティッチボーンの主張者

ロジャー卿の復活

オーストラリアとチリからの証拠

第一回公判

第二回公判

物語の終わり

歴史的証拠の分析

医学的証拠の分析

裁判の心理学的分析

要約と評決

第VI章 ベーカー街の公爵

風変わりな公爵

風変わりな商店主

リトルチャイルド探偵の捜査

ドルース‐ポートランド会社

第二回公判

ストーリーの結末

第VII章 世界のミステリー

行方不明の相続人、秘密の結婚、そしてふしだらな国王

偉大な詐称者の遺産

偉大な詐称者の終焉?

注 記

索 引

著者紹介

ヤン・ボンデソン(Jan Bondeson )

ヤン ボンデソン医学博士はカーディフにあるウェールズ大学医学部の教授で,以下のような著作がある.Buried Alive[邦訳:『陳列棚のフリークス』(松田和也訳,青土社,1998年),The Feejee Mermaid,The Two-Headed Boy,The London Monsterほか.

訳者紹介

田村 勝省(たむら かつよし)

1949 年生まれ.東京外国語大学および東京都立大学卒業.旧東京銀行で調査部,ロンドン支店,ニューヨーク支店などを経て,現在は関東学園大学教授,翻訳家.

主な訳書
『新しい金融秩序』(日本経済新聞社,2004 年)
『ウォール街 欺瞞の血筋』(東洋経済新報社,2005 年)
『サッカーで燃える国 野球で儲ける国』(ダイヤモンド社,2006 年)
『グーテンベルクの時代』(原書房,2006 年)
『ドルはどこへ行くのか』(春秋社,2007 年)
『より高度の知識経済化で一層の発展をめざす日本』(一灯舎,2007 年)
『世界開発報告2008』(一灯舎, 2008年)


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