ニューエコノミーでアメリカが変わる! 幻の富から真の富へ、オバマ大統領への期待

更新日:2009/08/31

ニューエコノミーでアメリカが変わる!

――幻の富から真の富へ、オバマ大統領への期待

デービッド・C・コーテン 著

田村 勝省 訳

2009年8月 発行

定価 1,800円(+税)

ISBN 978-4-903532-49-3

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・  序文、目次

概要

1950年からの約半世紀の間に、アメリカの経済では、製造業の没落と金融サービス業の急速な台頭があった。これをGDPで見ると1950年には製造業が29%であり、金融サービス業は11%を占めていた。ところが、2005年には製造業は12%に減少し、金融サービス業は20%に倍増した。2007-2008ではサブプライムバブルで金融はもっと膨張していたであろう。
アメリカを現在のような絶望の淵から助け出すにはどうすべきか、それにはメインストリート(製造業)の復活と、ローカル産業や国民の対話による草の根運動の台頭に期待する。コーテンは真の富の経済に向けたニューエコノミーのための12のアジェンダを提唱する。これらは非常に厳しいものだがオバマ新大統領はなりふり構わずその改革を断行すべきである。そうすればアメリカは必ず再生する。国を想うコーテンの気迫の新著である。

金融サービス業はウォールストリートによる幻の富(ファントム・ウエルス)の追求である。これはマジックのように現れたり消えたりする富であり、真の効用の創造ではなく資産バブルの膨張により創り出された貨幣で、会計記帳上の数字である。ウォール・ストリートの詐欺師たちは、時には30倍のレバリッジをかけて膨大なファントム・ウエルスを稼ぎ出した。それが霧散し崩壊した現在、そのつけを負担するのはまじめな投資家と、国民の税金である。強い中間層の増加と発展に期待し、そのための具体的な処方箋をえがく。
真の富(リアル・ウエルス)とは健康で充実した生活、健康で幸せな子供たち、愛する家族、美しく健全な自然環境に囲まれた思いやりのあふれた地域社会である。人々の本来的な価値と献身を肯定してくれる充実した平和な世界である。コーテンはこのような社会を担う、強い中間層の増加と発展を期待する。

目次

序文

― 第Ⅰ部 ― ニューエコノミー論

第一章 上流を見る

症状ではなくシステムを治療する

理論がないよりも悪い

ニューエコノミーのための新しいストーリー

上流を見る用意のある人に向けた本

第二章 現代の錬金術師と金儲けというスポーツ

幻の富

日よけをかぶった錬金術師

第三章 真の市場という代替策

ウォールストリートとメインストリート

法人企業

市場という代替策

市場という修辞法をまとった資本主義

第四章 小手先細工以上のことを

全ては終わった

サックス:痛みを伴わない微調整

スペス:方向転換と再設計

― 第Ⅱ部 ― ウォールストリート排除論

第五章 ウォール街が本当に望んでいること

経済を「近代化する」

投機の銀行業

階級闘争に勝利する

第六章 海賊と私掠船

植民地時代の始まり

公海における冒険家

私略船

特許会社

第七章 幻の富がもたらす大きな対価

幻の期待

現実から切り離され統制がきかない

有限な地球上における永続的な成長

健康、幸福、隣人に負けまいと見栄を張ること

限度のない真の富

第八章 帝国の終焉

帝国への転換

新しい国家の誕生

長い闘争

叙事詩的な機会

― 第Ⅲ部 ― 真の富の経済に向けたアジェンダ

第九章 人々が本当に望んでいること

われわれ人間の本質

われわれの夢の世界

転換を航海する

第十章 必須の優先課題

われわれの新しい状況に適応する

安全と豊かさのために組織する

ウォールストリートの経済的グローバル化のアジェンダ

ニューエコノミーにおける配分にかかわる優先順位

第十一章 メインストリートを解放する

ニューエコノミーのための新しいルール

ニューエコノミーのアジェンダ:一二項目

第十二章 真の富の金融サービス業

債務、利息、幻の富を増やせという圧力をへらす

思考実験

金融サービス業のアジェンダ

どう対処すべきか?

第十三章  真の富の経済下での生活

― 第Ⅳ部 ― ストーリーを変えて、未来を変えよ

第十四章 オバマ大統領にいつかは国民向けにやって欲しい演説

第十五章 人々がリードすれば、リーダーはついてくる

大変革はどのようにして起こるか

二つの歴史的な独立運動

何百万人ものリーダー


著者紹介

デービッド・C・コーテン(David C. Korten)

リチャード・ゴールドバーグは,リーマン・ブラザーズ,ラザード,ワッサースタイン・ペレーラなどで通算25 年間の勤務経験を持つウォール街のベテランである.ゴールドバーグは,金融機関を相手とするバンカーとして金融サービスの転換にかかわる取引に数多くの助言を提供してきた.また,コロンビア大学国際公務大学院の教員であり,ボストン・カレッジのキャロル経営大学院やブランダイス大学の国際経営大学院で教鞭を取った経験もある.

訳者紹介

田村 勝省(たむら かつよし)

1949 年生まれ.東京外国語大学および東京都立大学卒業.旧東京銀行で調査部,ロンドン支店,
ニューヨーク支店などを経て,現在は関東学園大学教授,翻訳家.
翻訳書:『新しい金融秩序』(日本経済新聞社,2004 年)
『ウォール街 欺瞞の血筋』(東洋経済新報社,2005 年)
『グーテンベルクの時代』(原書房,2006 年)
『ドルはどこへ行くのか』(春秋社,2007 年)
『謎・なぞ ――歴史に残るミステリー』(一灯舎,2008 年)
『世界開発報告2009』(一灯舎,2008 年)
『アメリカ大恐慌(上下)』(NTT 出版,2008 年)
『大転換 ――帝国から地球共同体へ』(一灯舎,2009 年)
『企業の名声 ――トップ主導の名声管理・回復十二か条』(一灯舎,2009 年)
『ウォール街の崩壊の裏で何が起こっていたのか? 』(一灯舎,2009 年)


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