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・  序文、目次

概要

デジタル技術が急速に広まっている．しかし，デジタル化がもたらす恩恵――成長の加速，雇用の増加，サービスの改善などの広範な利益――は広まってはいない．主因は2 つある．第1 に，世界人口の60％近くは依然としてオフラインにとどまっており，いかなる有意義な形でもデジタル経済に参加することができていない．第2 に，より重要なこととして，デジタル技術の恩恵はリスクの増大によって相殺され得る．

『世界開発報告2016』が示すところによれば，デジタル革命は力強く前進しているが，そのアナログ型補完措置は足並みが揃っているわけではない．また，デジタル投資においてアナログ型補完措置が欠如していると，開発がもつ影響力に失望することになるであろう．

各国は万人のために，どこであろうと，デジタル化がもたらす恩恵を実現するためには，強固なアナログ型の基盤を構築する必要がある．

目次

序文

謝辞

略号

概観：デジタル革命のためにアナログ基盤を強化する

デジタル転換――デジタル・デバイド

インターネットはどのようにして開発を促進するか

恩恵：経済成長，仕事，およびサービス提供

リスク：集中，不平等，および統制

インターネットを普遍的に，手の届く料金に，オープンに，そして安全にする

デジタル経済のためのアナログ的な補完措置

グローバルな問題を解決するためのグローバルな協調

デジタルの恩恵を万人のために

注

参考文献

スポットライト１　インターネットはどのようにして開発を促進するか

Part Ⅰ　事実と分析

１ 経済成長を加速化する

企業のインターネット接続

貿易の増大・生産性上昇・競争激化

デジタル技術によって企業や国は乖離することがあり得る

技術と規制の関係

市場の将来

注

参考文献

セクター別フォーカス1　農業

スポットライト２　デジタル金融

２ 機会を拡大する

つながっている人々

雇用を創出し，労働生産性を押し上げ，消費者に利益をもたらす

労働市場の分極化は不平等の拡大につながり得る

スキルと技術の競争

仕事の将来

注

参考文献

セクター別フォーカス２　教育

スポットライト３　ソーシャル・メディア

３ サービスを行き届かせる

つながった政府

国家能力と市民参加の改善

デジタル技術はあまりにもしばしば市民のエンパワメントに失敗している

技術と制度の間の格差

公共サービスの将来

注

参考文献

セクター別フォーカス３　e- ヘルス

スポットライト４　デジタル式身分証明

Part Ⅱ　政策

４ セクター別の政策

インターネットを普遍的に，手の届く料金に，オープンに，安全にする

デジタル経済を形成する

供給サイドの政策：入手可能性，アクセス可能性，手の届く料金

需要サイドの政策：オープンで安全なインターネット利用

デジタル経済を促進する

注

参考文献

セクター別フォーカス４　スマート・シティ

スポットライト５　データ革命

５ 国家の優先課題

デジタル経済のためのアナログ基盤

技術と補完措置の相互依存

規則：企業が接続・競争するのを助ける

スキル：インターネットを万人のために機能させる

制度：有能で説明責任ある政府に向けて接続する

デジタル技術に付随するリスクからの保護

注

参考文献

セクター別フォーカス５　エネルギー

６ グローバルな協調

インターネット・ガバナンス

グローバルなデジタル市場に向けて

情報を用いて持続可能な開発を促進する

注

参考文献

セクター別フォーカス６　環境管理

スポットライト６　注目すべき6 つのデジタル技術

索引

著者紹介

世界銀行

世界銀行について

訳者紹介

田村　勝省（たむら かつよし）

東京外国語大学および東京都立大学卒業．

旧東京銀行および関東学園大学教授を経て翻訳家．