世界の大河で何が起きているのか

更新日:2015/11/29

世界の大河で何が起きているのか

河川の開発と分断がもたらす環境への影響

エレン・ウォール 著

穴水 由紀子 訳

2015年12月 発行

定価 3,800円

ISBN978-4-907600-36-5


紀伊国屋書店

アマゾン

楽天ブックス

丸善,ジュンク堂

サンプルページ(PDF)

・  目次,第1章

概要

本書で著者は、川とはいったいどういうものなのかを具体的に説明するために世界の河川のなかから10本の大河を選び、人間が川に押しつける変化がいかに川を劣化させ、ひいては、川を頼りに生きるあらゆる生物をいかに疲弊させうるかを探っている。これら10本の大河は、世界屈指の大河流域に見られる気候、地勢、生物の多様性を具体的に示してもいる。これらの川は、ただ大きいということだけではなく、周囲の景観や生物群集を形成する上で重要な役割を果たしているという点で共通している。著者は、それぞれの川を理解するための基礎として、科学を重視している。読者を世界各地の大河を下る旅と、一見遠く離れた大河と大河をつなぐ旅にいざない、それぞれの大河の自然史と、その河川生態系に対して人間がおこなってきた河川改修の歴史を探ることが本書の目的である。河川の多い日本に対しても、多くのことを示唆している。

目次

はじめに

第1章 川はめぐる

第2章 アマゾン川 ―― ピンクドルフィンが泳ぐ川

第3章 オビ川 ―― 息絶え絶えの婆さまの川

第4章 ナイル川 ―― 砂漠の命綱

第5章 ドナウ川 ―― 美しき面影

第6章 ガンジス川 ―― 永遠に穢れなき川?

第7章 ミシシッピ川 ―― 過去と未来の川

第8章 マレー・ダーリング川 ―― さすらい歩いて、蹴躓く

第9章 コンゴ川 ―― すべての川を飲み込む川

第10章 長江 ―― 竜の手綱を握る

第11章 マッケンジー川 ―― 瀬戸際の川

第12章 衰えつつある流れ

訳者あとがき

参考文献

索引

著者紹介

エレン・ウォール(Wohl, Ellen)

コロラド州立大学地球科学部教授.河川研究者.近著にOf Rock and Rivers: Seeking a Sense of Place in the American West がある.

訳者紹介

穴水 由紀子(あなみず ゆきこ)

東京女子大学文理学部社会学科卒業.エネルギー関連企業勤務を経て,英国バース大学通訳翻訳修士課程修了.訳書に『世界開発報告2012――ジェンダーの平等と開発』(共訳),『リーダーをめざすあなたへ――成功した女性の8つの戦略』(以上一灯舎)がある.


タグ: